フローティングライダーシステムを用いた乱流計測のための動揺補正手法の現地実証を実施
2025年12月4日
日本気象株式会社は、洋上風力発電開発における風況調査の精度を向上するため、フローティングライダーシステムを用いた乱流計測のための動揺補正手法について、国内で初めて商用機を用いた現地実証を行いました。
本技術の知見を活かし、国内産業との連携を通じて、洋上風力発電の導入促進に貢献してまいります。

フローティングライダーシステム「AXYS FLiDAR WindSentinel™」
背景
近年、地球温暖化対策として洋上風力発電の開発が世界的に加速しています。風車設計やウェイク(後流)評価を行うための事前風況調査では、「乱流強度(風の乱れの強さ)」の正確な計測が不可欠です。昨今国内では、従来の観測手法では対応できない、離岸距離の大きい海域での大規模な開発が進んでいるため、海上に浮かべたブイに鉛直ライダー(VL)を搭載した「フローティングライダーシステム(FLS)」の導入が進んでいます。FLSによる乱流計測においては、浮体の波浪による「動揺の影響」をいかに除去し、陸上設置の観測マストと同等の高い精度を確保するかが大きな課題となっていました。
概要
当社はこの課題を解決するため、FLSの運動とVLの視線風速の瞬時値を用いて、浮体の運動効果を除去する「幾何学的動揺補正手法」について、商用機を用いた現地実証を行いました。
場 所: 青森県むつ小川原港テストサイト沖(防波堤上の固定VLと比較)
使用機器: AXYS Technologies社製 FLS浮体「WindSentinel」、ZX Lidars社製VL「ZX 300M」(商用機)
期 間: 2024年2月~5月
実証によるデータ有効率は動揺補正処理後も約90%と高く維持され、実用的なデータ取得率が確認されました。乱流計測精度も、動揺補正後のFLSの計測結果は、陸上設置の固定VLの計測結果と良好な一致を示しました。
本検証の結果、洋上に設置されたFLSによる乱流計測値に対し、幾何学的動揺補正処理を施すことで、実用に耐えうる非常に高い精度でデータが得られることが示されました。
今回は日本国内において、商用機を用いた動揺補正の実証に成功した初の事例であり、開発が進む沖合での洋上風力発電開発において精度の高い風況データを取得するための大きな成果となりました。
当社は国内のステークホルダーと協働し、本手法の実証と知見の共有を推進することで、国内の技術的課題に取り組み、洋上風力発電産業のさらなる発展に寄与してまいります。
場 所: 青森県むつ小川原港テストサイト沖(防波堤上の固定VLと比較)
使用機器: AXYS Technologies社製 FLS浮体「WindSentinel」、ZX Lidars社製VL「ZX 300M」(商用機)
期 間: 2024年2月~5月
実証によるデータ有効率は動揺補正処理後も約90%と高く維持され、実用的なデータ取得率が確認されました。乱流計測精度も、動揺補正後のFLSの計測結果は、陸上設置の固定VLの計測結果と良好な一致を示しました。
本検証の結果、洋上に設置されたFLSによる乱流計測値に対し、幾何学的動揺補正処理を施すことで、実用に耐えうる非常に高い精度でデータが得られることが示されました。
今回は日本国内において、商用機を用いた動揺補正の実証に成功した初の事例であり、開発が進む沖合での洋上風力発電開発において精度の高い風況データを取得するための大きな成果となりました。
当社は国内のステークホルダーと協働し、本手法の実証と知見の共有を推進することで、国内の技術的課題に取り組み、洋上風力発電産業のさらなる発展に寄与してまいります。
論文タイトル
フローティングライダーシステムを用いた乱流計測のための動揺補正手法の現地実証
Field Demonstration of a Motion Compensation Method for Turbulence Measurements
Using a Floating LiDAR System
一般社団法人日本風力エネルギー学会主催 第47回風力エネルギー利用シンポジウムにて発表
Field Demonstration of a Motion Compensation Method for Turbulence Measurements
Using a Floating LiDAR System
一般社団法人日本風力エネルギー学会主催 第47回風力エネルギー利用シンポジウムにて発表




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