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気象条件に基づく今シーズンのインフルエンザ流行予想について

2018年12月26日

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日本気象株式会社は、今シーズン(2018/19年)のインフルエンザの流行状況の考察および予想を行いました。
インフルエンザの流行には様々な要因が影響していますが、気象条件もその一つです。日本気象は、様々な社会現象と気象の関係性を分析しており、日々の気象条件に着目した既存の知見や情報とは異なる、「乾燥度合いの差が1週間以上継続すると、1か月程度先の流行に影響する」という新しい見解を発表しました。今シーズンのインフルエンザの流行状況を考察および予想した結果、年明け以降は流行ピーク時期に向かって流行が急激に拡大することが予想されます。
今シーズンのインフルエンザの流行状況および今後の予想
定点あたり報告数
厚生労働省は12月14日に「インフルエンザの全国的な流行が開始した」と発表しました。今シーズンの流行開始は例年並みであるものの、最近5年の中ではやや遅い時期でした。これは、秋以降に気温や湿度が高く、インフルエンザが流行しにくい気象条件が続いたからであると考えられます。この先の流行は、12月下旬は緩やかに進み、年明け以降は急激に拡大することが予想されます。 この1か月は、12月上旬の寒波の影響などで乾燥状態にあるため、ウィルス生存率が全国的に例年並みかそれ以上に高まってきています。「1週間以上の乾燥状態が1か月程度先の流行に影響する」という知見から、この先1か月は流行が拡大しやすい気象条件にあります。早めの予防接種を行うなど、今後の流行拡大に備えましょう。

気象データの研究・開発や利活用、適切な情報発信を通して、より一層社会へ貢献することを目指します。
ウィルス生存率
流行予想の独自性
インフルエンザは一般に「低温で乾燥しているほど流行の可能性が高まる」と言われています。この知見により、気温や湿度による「日々の危険度」を示す情報が多く見られます。ところがこのような情報には課題があり、流行状況を説明できない部分があります。具体的には、
・ 一般に「流行に注意・警戒」と言われる気象条件の発生時期と、実際の流行開始・ピーク・終息時期にずれがある
・ 地域によって流行開始時の気温や湿度(例年の平均的な値)に乖離がある
・ いったん流行時期に入ったら、危険度の下がる日が一時的に見られても流行の抑制には繋がらないため、日々の危険度という情報を活用することが難しい
などが挙げられます。
日本気象はこれらの課題を踏まえ、記録的な流行となった2017/18年シーズンおよびその前3シーズンについて、流行状況と気象条件を新たな視点で考察しました。その結果、「シーズン毎、あるいは例年と比較して1週間以上の乾燥度合いの差が広範囲で見られると、1か月程度先の流行に影響する」という可能性を見出しました。
絶対湿度と定点あたり報告数
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