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洋上風力発電向け気象・海象予測システム「MetOcean Navi」を提供開始

2021年8月26日

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日本気象株式会社は、洋上風力発電所の建設などシビアなリスク管理が求められる洋上でのオペレーションにおいて、必要とされる高精度な気象・海象情報を提供するWebサービス「MetOcean Navi(メットオーシャンナビ)」を8月26日にリリースいたします。
洋上風力発電所の計画、工事やその後の運用、撤去に至るまで、長期にわたる事業で有効な情報をご提供します。発電所建設時における厳しい自然環境下での安全運航や作業計画の作成、発電所運用時における発電量最大化など、洋上風力発電事業に関わる幅広い業務を支援します。
MetOcean Navi(メットオーシャンナビ)
当社は、国内の洋上風力発電開発において、最新の調査手法やコンサルティングの提供を行ってまいりました。その中で、気象会社として気象・海象の予測情報の必要性を求められることも多くなり、この度の開発を行うことになりました。本サービスは、洋上風力発電施設の現場作業部門ならびに管理部門において、多くのご意見をいただきながら検討を重ね、まずは重要度の高い項目をはじめに開発を手がけました。
「MetOcean Navi」は洋上風力発電事業をサポートするための、気象・海象予測情報のプラットフォームです。本サービスでは、洋上風力発電所の設置海域をWeb上で登録し、設定地域で予想される、波高、うねりなどの海象予測、および接近する台風情報や、風・雷・気圧などの気象予測など、洋上風力発電事業において必要とされる16種類の気象・海象情報を確認いただくことができます。
風向・風速予測では、発電機の高さに合わせた情報が分かるよう、高度ごとの予測情報を10日先まで、1時間単位で確認することができます。また判断の材料となるよう、何十通りもの予報計算を行い、風速の発生確率を予測したアンサンブル予報も提供しています。
風向・風速予測、アンサンブル予報
背景
洋上風力発電において、海上での作業は台風や高波、強風・落雷などの厳しい自然現象に見舞われることも多く、気象災害によるリスクが懸念されます。国内において洋上風力発電が推進される中、マネージメントや利益の最大化、管理の効率化、安全管理のための、信頼性の高い気象・海象情報は重要です。
当社はこれまで自然エネルギーの研究と風力発電の調査・シミュレーションにおける経験を積んできました。本サービスでは、気象・海象データベースと独自予測モデルを用いて、必要な海域における高精度・高精細な情報をご提供します。
MetOcean Naviについて
計画・工事~運用、撤去まで、洋上風力発電事業の全工程で有効な気象・海象予測
MetOcean Naviでは、洋上風力発電所の設置海域を登録することができます。地図上に海域周辺の風速や波高、視程等の予測情報が表示される他、指定海域におけるピンポイントの気象・海象予測をグラフ等でご覧いただけます。情報内には風車の建設やメンテナンスの際に重要な海面からの高さ50~150mといった上空の風速予測も含まれます。
<提供情報>
波高 / 波向 / 波周期
天気 / 気圧 / 気温 / 降水量 / 視程 / 風向風速(海面~上空) / 発雷確率
台風の暴風域に入る確率予報 / 台風進路予報
ナウキャスト(降水、雷、竜巻) / リアルタイム落雷発生情報
高解像度降水ナウキャスト・発雷観測 台風進路予報 波高予測・波向・波周期予測
マリンワランティサーベイの施工基準に準拠
大規模な投資となる洋上風力発電開発では、マリンワランティサーベイ(Marine Warranty Survey、以下「MWS」)の基準を満たし、自然災害リスクを低減する必要があります。MetOcean NaviではMWSの基準をもとに、風速、波高、視程を含む気象海象予測を高精度・高頻度で提供します。
風向・風速予測 波高予測 視程予測
ステークホルダー間で情報をシェアできる
MetOcean Naviの特徴は、洋上風力発電所の建設・運用に関わる様々なステークホルダーと、設置海域の気象・海象情報をシェアできる点です。これまでは、事業オーナーと工事業者、船舶オペレーターが異なる気象情報を利用することで、日々の作業判断に相違が生じることもありました。MetOcean Naviでは、1つのサービスアカウントで関係各社が同じ気象・海象情報を確認することができるため、気象条件による作業判断の相違をなくすことができます。また管理権限はユーザごとに変えることも可能です。
【お問合せについて】
本件に関するお問合せにつきましては、こちらのお問合せフォームまたは、電話 06-6567-2222 にて承っております。