フローティングライダー
フローティングライダーとは、ドップラーライダーを搭載した洋上風況観測用のブイです。洋上風力発電開発のために開発され、現在も進化を続けています。再生可能エネルギーの切り札とも考えられている洋上風力発電では、より良い風況を得るために、より沖合での開発が重要となります。フローティングライダーは、離岸距離(海岸線からの距離)の大きい海域における風況観測を実現する他、ブイにドップラーライダー以外の気象・海象観測機器を搭載することによって、洋上風力発電開発海域における有機的な気象・海象観測を可能としています。
フローティングライダーの利点
フローティングライダーの大きな利点は、離岸距離の(海岸からの距離)の大きい海域の、高高度の風を観測できることです。洋上風力発電開発では、エネルギー資源量評価や風車の設計仕様検討のため、洋上風データが極めて重要です。洋上風を観測する方法には、洋上観測マスト(直接洋上にマストを設置して観測する)、スキャニングライダー(陸上にスキャニングライダーを設置して洋上風を観測する)等がありますが、フローティングライダーは洋上観測マストやスキャニングライダーにおける課題を克服する上でも注目されています。
洋上観測マストの課題
- 設置に対する自然的・社会的制約が大きい
- 風況調査においてはマスト本体の影響を考慮する必要がある
- 設置・維持コストが大きい
スキャニングライダーの課題
- 観測点の離岸距離に制限がある
取扱い機種
日本気象では主に以下のフローティングライダーを取り扱っています。
機種 | メーカー |
AXYS FliDAR WindSentinel™ | AXYS Technologies Inc. (Canada) |
EOLOS FLS200 | EOLOS Floating LidarSolutions (Spain) |