フローティングライダー
フローティングライダーとは、ドップラーライダーを搭載した洋上風況観測用のブイです。洋上風力発電開発のために開発され、現在も進化を続けています。再生可能エネルギーの切り札とも考えられている洋上風力発電では、より良い風況を得るために、より沖合での開発が重要となります。フローティングライダーは、離岸距離(海岸線からの距離)の大きい海域における風況観測を実現する他、ブイにドップラーライダー以外の気象・海象観測機器を搭載することによって、洋上風力発電開発海域における有機的な気象・海象観測を可能としています。
フローティングライダーの利点
フローティングライダーの大きな利点は、離岸距離の(海岸からの距離)の大きい海域の、高高度の風を観測できることです。洋上風力発電開発では、エネルギー資源量評価や風車の設計仕様検討のため、洋上風データが極めて重要です。洋上風を観測する方法には、洋上観測マスト(直接洋上にマストを設置して観測する)、スキャニングライダー(陸上にスキャニングライダーを設置して洋上風を観測する)等がありますが、フローティングライダーは洋上観測マストやスキャニングライダーにおける課題を克服する上でも注目されています。
洋上観測マストの課題
- 設置に対する自然的・社会的制約が大きい
- 風況調査においてはマスト本体の影響を考慮する必要がある
- 設置・維持コストが大きい
スキャニングライダーの課題
- 観測点の離岸距離に制限がある
取扱い機種
日本気象では主に以下のフローティングライダーを取り扱っています。
| 機種 | メーカー |
| AXYS FliDAR WindSentinel™ | AXYS Technologies Inc. (Canada) |
| EOLOS FLS200 | EOLOS Floating LidarSolutions (Spain) |

フローティングライダーを用いた乱流計測のための動揺補正手法を開発
洋上風力発電開発において、今後拡大する離岸距離の大きい海域での風況調査の精度を向上するため、日本気象はフローティングライダー(FLS)を用いた乱流計測のための動揺補正手法について、国内で初めて商用機を用いた現地実証を2024年2月に行いました。
本実証の結果、洋上に設置されたFLSによる乱流計測値に対し、幾何学的動揺補正処理を施すことで、実用に耐えうる非常に高い精度でデータが得られることが示されました。
使用機器:フローティングライダーシステム「AXYS FLiDAR WindSentinel™」
場所:青森県むつ小川原港テストサイト沖(防波堤上の固定VLと比較)
期間:2024年2月~5月
【発表論文】
フローティングライダーシステムを用いた乱流計測のための動揺補正手法の現地実証
日本風力エネルギー学会誌,Vol.49(4),2026.



